漆からかみ

漆とは?

漆は日本古来の天然塗料です。 化学塗料とは違い、漆は天然の木の樹液なので有害物質や毒性がありません。 環境にも人体にもやさしい自然塗料です。
漆の採取

「漆」とは、うるしの木からにじみ出る樹液です。漆木は、枝が折れたり、虫や動物に傷つけられたとき、漆(樹液)をにじみ出して傷を守ろうとします。 その傷口から乳白色の液体(漆)がにじみ出ますが、樹液を掻き採らなければ、傷口をふさぐように、そのうち漆は黒く変色して固まります。 人間の血液と同じように、漆もこのようにして樹液を保護するわけです。 その習性を利用して、漆の樹の幹部に傷をつけて採取します。

6月から11月ごろまでの期間に少しずつ樹に傷をつけて、樹液(生漆)を採るのが日本式です。 生育後14~15年くらいの樹で採取期間中約200グラムしか採る事が出来ません。これはお椀をようやく10個程作れる量です。 漆を採取した木は枯れてしまいますので、秋には根元から伐り倒し新芽を再び育てることを繰り返します。 「漆の7滴は血の一滴」。 職人さんは漆をとても大切にされています。
漆の特性
漆はペンキが乾くのとは本質的に違い、水分が蒸発するのではなく空気中の水分から酸素を取り込んで固まる化学反応によるものです。 この化学反応には、適切な温度と湿度が必要となります。(温度15~20度、湿度70%~90%) その状態の中で成分中のウルシオールとラッカーゼが化学反応して塗膜をつくり、一旦固まると、酸、アルカリ、アルコール等の薬品類や、高熱にも耐える強靭な塗膜になります。
乾燥には、漆の質や環境により通常は数時間から数十時間を要します。 適切な環境でない場合には、1か月経っても乾かない場合もあります。 梅雨の時期が最も乾きやすく冬に漆が乾きにくいのは温度が低いだけでなく、空気の乾燥が大きく影響しているのです。
そして乾燥には、「漆風呂」「室」(むろ)と呼ばれる漆用の乾燥室を使います。 防塵、保温、保湿の効果を高める密閉構造になっており、大きい木箱の中に湿らした布などを吊るし、湿度を加えながら乾かしますが、思うように乾燥させるには経験を必要とします。
条件から外れた環境になると、乾き難くなったり、塗り肌が悪くなり色や艶等の支障が出てきます。 漆は塗る事よりも、乾かす事の方が難しいとも言われてます。

また一般の塗料は塗ったときから劣化していきますが、漆の滑らかで深みのある美しい塗膜は年月を経つほどに色艶を増していきます。 漆は生きているということですね。
日本での漆
最初は接着を目的に狩りの道具・武具等に使用されていました。 その後、漆の持つ保護耐久性・塗料としての美点に気付き創意工夫を加え装飾の文化へと発展していきました。
漆とは、「麗し(うるわし)」「潤し(うるおし)」という言葉が由来といわれ、水に濡れたようなみずみずしい漆の艶やかさを表したものです。 「漆」という漢字にも、「水と木と人」の要素が込められており、漆の特徴を良く表しています。
漆は、独特の質感や光沢を備えており、特有の美しさが日本人の美意識に合致し、多くの漆器が生み出され、長い歴史の中で日本人そして世界の人々を魅了してきました。

漆器のことを英語では、小文字で「japan」と表現します。(ちなみに、陶磁器のことは「china」です。)外国では漆器のことをジャパンと呼んでいます。 これはかつて漆器が日本の代表的な輸出品だったころの名残であり、漆器・漆芸品は日本の伝統文化を代表するものです。

漆からかみ

  • UK-501

    枝梅
    Edaume

  • UK-502

    秋草
    Akikusa

  • UK-503

    葡萄唐草
    Budo-karakusa

  • UK-504

    ぼけ唐草
    Boke-karakusa

  • UK-505

    木目
    Mokume

  • UK-506

    文嶺笹
    Bunrei-zasa

  • UK-507

    桐唐草
    Kiri-karakusa

  • UK-508

    笠松
    Kasamatsu

  • UK-509

    巴水
    Tomoemizu

  • UK-510

    波模様
    Namimoyou

漆からかみ 施工上の注意

和紙の種類や使用場所によって、糊の濃度・オープンタイム・施工方法等が異なります。
事前に試し張り等を行うなど、施工前に十分に確認をお願いします。
1.下地処理
  • 合板,プラスターボード(石膏ボード)の場合、パテで下地を平滑にして目地処理も行って下さい。アク止めにシーラー処理をお願いします。モルタル下地の場合は、防湿性のあるシーラー等で下地処理をお願いします。シーラー処理を行わないと、アクが発生して壁紙を変色させる恐れがあります。
  • 水分を吸収しない下地(樹脂合板・反り止めベニヤ・金属板など)への施工はお避け下さい。製品表面の漆膜は水分が抜けにくいため、壁紙の十分な乾燥が出来ずに仕上がりに悪影響を及ぼします。
2.糊
  • 壁紙用のノンホルマリン糊をご使用願います。
  • 通常の壁紙より硬い素材になっていますので、少し濃い目の配合で塗布量も多めにして下さい。(詳しい取扱い方法は、接着剤メーカーの説明書をご覧下さい。)
3.張付け
  • 本製品は全て手加工のため、一枚一枚の色合いや柄の風合いなどが異なります。必ず施工前に仮並べをして、全体のバランスを整えて下さい。
  • 施工面の割付を行います。製品寸法が柄のリピートになっています。
  • 糊付け後のオープンタイムは、糊が材料に十分なじむ位(10~15分)とって下さい。(施工場所,気候,温度,湿度などで調整して下さい)
  • 糊付け後は折りジワが付かないように、たたまず平面で保管して下さい。
  • 張り付けの際は撫ブラシを使用し、シワを伸ばしながら空気を抜いて張って下さい。空気が抜けにくい場合は、壁紙張り用スムーサー等で押し出すと効果的です。
  • 出隅,入隅などのコーナーの納まりは、巻き込んで張ると漆が折れて剥離の原因となりますので、縁,目地等で見切りを付けて処理して下さい。
    ※建具・襖にご使用の場合
    下地はベニヤにてお願いします。その他の貼付け方法は上記と同様です。
4.ジョイント部
  • 基本的に重ね張りをお勧めします。(重ね巾約10mm)
  • 重ね代には接着補強のため、壁紙用の合成樹脂系接着剤(プラゾール等)を混合して下さい。
  • 表面の漆が硬質なため、刃先は鋭いカッターをご使用下さい。
  • 壁紙の切断面が気になる場合は、予め同色のマジック等で塗っておくと目立ちません。
5.その他ご注意
  • 施工時に糊の影響で特有の臭いが残る場合があります。施工後1週間程は十分な換気を行って下さい。
  • 漆器と同様、漆独特の臭いは主成分であるウルシオールが揮発して発生します。環境によっての誤差がありますが、通常は1~3ヶ月でなくなります。
  • アレルギー体質の方やお体の敏感な方は、お肌がかぶれたりアレルギー反応をおこすことがまれにあります。主成分が揮発すれば問題ありませんが、施工後しばらくはご注意ください。万一、異常を感じたときは専門医へご相談下さい。
  • 和紙や漆は、紫外線により変色します。通常の環境下では問題ありませんが、特に直射日光の強く当たる場所では、カーテン等で日光が差し込まないようにして下さい。
  • 手加工のため、色合いや風合い,柄付け等が見本帳と若干異なります。また、全商品受注生産となりますので、追加注文の際のロットが異なります。ご理解の上、ご了承下さいませ。
  • 万一、品質などにお気づきの点がございましたら、施工前にご連絡下さいますようお願い申し上げます。糊付け、断裁後の商品につきましてのクレームはお受け致しかねますので、ご了承下さい。
6.メンテナンスについて
  • ホコリや汚れを長時間放置しますと、和紙が湿気や油分を吸収して除去しにくくなります。はたきや乾いた柔らかい素材で撫でるように取り除いて下さい。
  • 汚れ,糊等が表面に付着した場合は、湿らせた布で取り去り、その後柔らかい布で拭き取って下さい。強く拭き取ると、表面の繊維が毛羽立ちますのでご注意下さい。
  • 市販の漆専用ワイビングクロス(漆クリーン)なども便利です。

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